【特別支援教育】新学習指導要領の改訂ポイント:特別支援教育の充実

こんにちは、心理カウンセラー*Harunaです🌟

昨日、2019年9月15日(日)、特別支援教育士の資格更新研修に参加してきました。

特別支援教育の最新情報ということで、文部科学省の田中裕一先生から特別支援教育の現状と学習指導要領の改訂についてのお話をお聞きしてきましたので、研修資料をもとに感じたことを振り返っておきます。

※教員以外の方に説明すると、学習指導要領とは、簡単に言うと日本の学校で学習する内容の統一基準のようなものです。これを国が定めることにより、日本中どこに住んでいても同じ質の教育が受けられるのです。学習指導要領は「幼稚園」「小学校」「中学校」「高等学校」「特別支援学校」に分けて作成されていて、約10年スパンで改訂されます。新しい学習指導要領は、小学校は来年度、中学校は再来年度の入学者から実施されます。

🌟学習指導要領の改訂のポイント🌟

【小学校学習指導要領等における特別支援教育の充実】

まず、幼稚園、小、中、高校の学習指導要領において、特別支援教育に関する記述が充実しました。このことは、一体何を意味しているか…?

今まで、特別支援教育に関する詳しいことは特別支援学校の学習指導要領に書かれていました。それが、今回の改訂により通常の学校の学習指導要領にもがっつりと書かれることになりました。

これまでも、特別支援学級の教育課程は、特別支援学校の教育課程を参考にすることができますから(今回の改訂ではそこからさらに踏み込んで、「自立活動を取り入れること」と明文化されました)、特別支援学級の担任の先生は、特別支援学校の学習指導要領を当然見ます。でも、通常学級の先生は特別支援学校の学習指導要領までわざわざ見ることがないので、特別支援教育って「どんなことをどんな風に指導するのか知らない」ということが起きても、ある意味仕方のないことだったのかも知れません。

それが、新学習指導要領では小学校(幼、中、高も)の学習指導要領の中に特別支援教育に関する記述が充実したということですから、つまりは、通常の学校や通常の学級の先生たちも特別支援教育で何をするのか知っとけよ(=知らないとは言わせない)ってことですね。

そりゃそうです、通常学級の中に支援を要する子どもたちがいっぱいいるもんね。むしろそういう子どもたちに光を当てようというのが特別支援教育の出発点だったもの。

特別支援教育って、通常の学校や学級から切り離された所で専門の先生だけが担う特別なことなのではなく、通常学級の中で普段から行われていること。通常学級の先生が「知らない・説明できない」はありえないのです。

そういう意味では、今回の改訂以降、通常学級の先生が特別支援教育について簡単にでも説明できるのはもちろんのこと、特別支援学級の先生ならばより詳しく具体的に説明できることが求められるようになりそうです。どうです?できますか?

じゃぁ、お前どうなん?と聞かれれば、私は完全に自信がないです( ;∀;)これはマズイ!しっかり解説を読まなくちゃと思いました。

 

脱線しました。具体的には以下のような内容が記述されています。

★個々の児童生徒の障害の状態等に応じた指導内容や指導方法の工夫を組織的かつ継続的に行う。

継続的に、の意味は、個別の指導計画に基づいて実践した結果どんな成果があったのかを振り返り、思うような成果が得られなかったのならばやり方を変える、といったPDCAサイクルを特別支援学校だけでなく特別支援学級や通級でもおやりなさい、ということが1つ。もう1つは、1~2年ごとに担任の先生が変っていくので確実に引継ぎをせよということ。もう少し拡大解釈すると、幼→小→中→高の学校間のつなぎも含まれるかも知れませんね。

 

★特別支援学級及び通級による指導に関する教育課程編成の基本的な考え方を示す。

特別支援学級で自立活動を取り入れることと、児童の実態に応じた教育課程を編成する(下学年や特別支援学校のものに替えることもOK)こととされました。個別の指導計画を作成することも示されましたね。通級についても、たとえば通常の学級の教育課程の「国語」を、通級の「自立活動」に変更することがOKなのだそうです。

 

★特別支援学級に在籍する児童生徒や通級による指導を受ける児童生徒については、個別の教育支援計画及び個別の指導計画を全員作成。

作成してないんかい?!とツッコミたくなりましたが、必要性を感じつつも作成できていないという実態があるらしく…(それでどうやって日々の実践をしていたんだろうか)。それでも小・中学校では90%を超える作成率。素晴らしいですね!文科省としては、小・中で作成されてきた物を、いかに高校につなぐかというのが目下の課題だそうです。ちなみにこれらの計画は、保護者との共通理解のもとに作成されるものですから、「保護者が必要ないと断ったので作成できない」というケースも少なからずあるようです。保護者が子どもの頃には特別支援教育という概念すらありませんでしたので、「個別の教育支援計画を作りましょう」と言われても「ナニソレオイシイノ?」状態になってしまうのも無理はありません。子ども自身の成長にとって有用なモノであると、学校がいかに説明を尽くせるかがカギになります。また、作成には同意していても、用紙を渡して「記入、捺印して○日までに提出してください」と言うだけでは、戸惑ってしまう保護者も当然出てくるでしょう。私のクライエントさんも、学校からの説明だけではよく理解できなくて、相談にいらした時に一緒に書くのをお手伝いしたケースがありました。こういう細かいところにも、しっかり説明したり一緒に考えましょうという学校側の姿勢が見えるかどうかで、保護者の印象が随分違ってくるのは言うまでもありません。

 

その他に
★各教科等に学習上の困難に応じた指導内容や指導方法の工夫。
★障害者理解教育、心のバリアフリーのための交流及び共同学習。
★高等学校における通級による指導の制度化に伴い、通級による指導における単位の修得の認定などについて規定。

それにしても田中先生の弾丸トークはいつ聞いても面白い(笑)

 

「うちのクラスの●●さん、どうしていったらいいんだろう?」
「自分の学校の先生たちにわかってもらうにはどうしたら?」
「実際の実態に落とし込んだらどうなるのか、もうちょっと詳しく知りたい」などがありましたら、お問合せフォームからご連絡ください^^

 

※WISC-Ⅳの解説・解釈支援(病院でもらってくる所見は意外と雑で意味不明!)なども行っております。
延べ300ケースの検査実績、心理相談3000件、500回の学校訪問(児童生徒の観察&教員へのコンサルティング)の経験から、『わかりやすく、学級で活かせるWISC-Ⅳ解説』をさせていただきます。

 

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